たけし、一貫性欠落の魅力

2010年9月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第53回 ]

現存している人物で、天才と思われる人物を一人あげよ、と命じられたら(だれも命じないだろうが)ためらわず、ビートたけしと答える。天才だな、という印象は「ツービート」というコンビで、常識を粉砕するようなスタイルで漫才界に衝撃を与えたころから、いまや映画の世界、とりわけフランスなどでは黒澤明に続く巨匠扱いされている現在にいたるまで、まったく変わらない。私事で恐縮だが、2年半前から出演しているテレビ東京系の報道番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」を引き受けたとき、ぜひ招きたいゲストの1番目にビートたけしをあげた。4回ほどテレビ朝日のたけしの「TVタックル」に出演したことがあるので、もちろん面識はある。面識はあるが、実にシャイな人で、ほとんどしゃべらない。彼はテレビ番組について「自分は番組の包装紙」と何かに書いている。だから自分の考えを強調することもな ………

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