米国は中国「覇権」に対抗する

「鬼の居ぬ間」の中国の微笑攻勢はいつのまにか変質。アジアで米国は押し返す、とM・モチヅキ教授が渾身の分析。

2011年1月号 COVER STORY [アジア戦略大転換]

今から10年も経てば、外交史の研究家たちは、2010年を振り返ってこう分析するかもしれない。アジアの国際関係、わけても対中関係を中心とするアメリカの対アジア政策は、重大な転換点にさしかかった、と。なぜならこの1年間は、およそ10年近くにわたったアメリカ外交の軌跡にピリオドが打たれた年だからだ。01年にニューヨークと首都ワシントンの本土二大都市を襲った9・11テロ事件以降、アメリカの対外戦略の焦点は対テロ戦争と、アフガニスタンおよびイラクへの軍事介入に絞られてきた。中東で起きた深刻な政治・軍事問題に気を取られて、ブッシュ共和党政権は東アジアでは積極的な外交を手控えた。アジアに目をむける場合でも、大方はグローバルな対テロ戦争のレンズを通して眺めがちだったのだ。東南アジアもアメリカはグローバルな軍事行動の第2戦線とみなしていた。北朝鮮の核開発計画について抱 ………

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