平成流「譲位宣言」の痛撃

「お気持ち表明」という戦後レジームならではの穏やかな表現に救われたが、戦前なら「勅令下る」にも等しい。

2016年9月号 DEEP [不退転の決意表明]

天皇の「譲位宣言」は世界を驚かせた。安倍晋三首相は「国民に向けてご発言されたことを重く受け止めている」と述べたが、世論を何より尊重するかのようなコメントで済まそうとする心根がいかにも軽い。安倍氏が本物の「尊皇家」なら、これは首相の進退伺いを出すべき失態だ。退位の意向は8年前から漏らされていたという。本来は「大御心(おおみこころ)」を体して政府が賢明な方法を献策すべきであったのに、長年ほったらかしにした揚げ句、とうとう天皇自らビデオメッセージで政府の無為無策を国民に直接訴える非常手段に出られてしまったのだから深刻だ。「お気持ち表明」という戦後レジームならではの穏やかな表現に救われたが、戦前なら「勅令下る」にも等しい。安倍首相はこれまで2度、天皇の「お気持ち」を退けてきた「張本人」である。1度は2005年11月、小泉内閣が女性・女系天皇容認の有識者 ………

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