特別寄稿 評論家 中野剛志 ジョー・バイデン政権の「急所」

ミャンマーの軍事クーデター事件は、リベラリズムとリアリズムが中途半端に共存する政権の弱点を突くものだ。

2021年4月号 POLITICS [特別寄稿 思想的「キメラ状態」]

ジョー・バイデン政権は、米国そして世界をどのように変えていくのか。これを見極めるのは容易ではない。というのも、時代の過渡期にありがちなことではあるが、バイデン政権は、キメラ的な性格をもっているからだ。そのことを理解するためには、国際政治経済学の理論の助けが要る。米国の国際政治経済学には、リベラリズムとリアリズムという二大潮流がある。以前(*1)(*1) https://facta.co.jp/article/202012002.htmlも論じたが、リベラリズムとは、民主主義や貿易の自由などの普遍的な価値観を広め、国際的なルールや国際機関を通じた国際協調を推し進めれば、平和で安定した国際秩序が実現するという理論である。例えば、民主国家の国民は戦争に反対するから、民主国家同士は戦争には踏み切らないだろう。よって、世界の民主化を進めるべきである。あるいは、自由貿易により各国の相互依存関 ………

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