「生け贄」 あるスルガ銀行員の逆襲

責任を一身に背負わされた男の軌跡。不正融資事件はまだ終わっていない。

2023年3月号 BUSINESS [エリートから生贄男の悲劇]

「一括解決は困難」2022年11月11日。中間決算発表の記者会見でスルガ銀行社長の嵯峨行介は開き直った。発覚から5年経ったいまも、1兆円規模の「巨額不正融資事件」は同行の経営を圧迫し続けている。いやむしろ、火の粉を舞い上げ始めているのにもかかわらず…。シェアハウス「かぼちゃの馬車」に端を発し、18年1月に火を噴いた不正融資事件。再建に取り組んできた同行には、大きく二つの融資が重荷となってきた。「シェアハウスローン」と「アパートローン」だ。嵯峨が「一括解決は困難」と言及したのは後者についてで、いまなお1千億円超の不正融資に関して、アパートオーナー側が解決を求めている。だが、問題はこれだけではない。空前の不正融資事件の陰で、同行と第三者委員会が描いた“絵図”に絡め取られ、社員として唯一「懲戒解雇処分」の詰め腹を切らされた元執行役専務がいる。生贄とされた男は ………

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