雨後の筍「抗肥満薬」が医療保険財政に穴を開ける!

製薬会社がネガティブなデータを明示することはまずない。「広報」か「報道」か――。メディアも足元を見つめ直す必要がある。

2025年6月号 BUSINESS

4月11日、新たな抗肥満薬であるゼップバウンドが発売された。ピーク時には年間300億円を超える売り上げが見込まれている。先行する抗肥満薬ウゴービも同等の数字を見込んでおり、両剤合わせると肥満対策だけで年間600億以上の薬剤費だ。3割負担の患者が使うと仮定すれば、私たちの公的医療保険から年間およそ430億円が支払われる計算となる。もちろん、それだけ支払っても肥満が原因となる疾患が減るのであれば、予防としての価値はある。「肥満」は多くの慢性疾患、例えば「高血圧」や「糖尿病」、「高コレステロール血症」のリスクを上げると考えられている。抗肥満薬はこれらの患者を減らし、ひいては心筋梗塞や脳卒中などの心臓疾患系疾患も減少する「はず」だ。医師も含め多くの人たちが、そのような楽観的見通しを持っているようだ。

「はず」は当てにならない

しかし「はず」の話が実現しないのが、医学の奥深いところ。 ………

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