准教授は贈収賄逮捕。上司の病院長は年間70件の「謝金漬け」。東大病院は一体、何をしてきたのか。
2026年1月号 LIFE [同業者を売る気か]
2025年11月19日夜、東京大学病院整形外科の准教授が、日本MDM社から奨学寄附金を受領した行為が贈収賄に当たるとして、逮捕された。母校の不祥事であり、個人的にも面識のある方だっただけに、率直に深い悲しみを覚えている。この報道を受けて、私が最初に抱いたのは「東京大学はこの数年間、いったい何をしてきたのだろうか」という強い疑問である。国立大学病院において、奨学寄附金をめぐる贈収賄の摘発は今回が初めてではないからだ。
奨学寄附金は「学術研究の支援」としての外観をもつ一方、実情としては、処方や医療機器の使用を誘導するキックバックとして用いられてきた歴史がある。2020年の三重大学臨床麻酔部元教授と小野薬品工業の贈収賄事件では、奨学寄附金が贈収賄の構成要件を満たすとの司法判断が下された。決定的だったのは、小野薬品工業と元教授の間で交わされた、同社製品オノア ………
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