『日本の司法』憲法裁判の現場から 著者/竹田昌弘 評者/山本豊彦
2026年2月号 連載 [BOOK Review]
幼い頃、母からよく砂川闘争の話を聞かされた。母は、地元・北九州の大学に入学したものの、「社会科学が勉強したい」と法政大学社会学部に編入した。「女は大学なんか行かなくていい」との父親の反対を押し切っての上京だった。結婚後、北九州に戻った母は、社会運動に参加することはなかった。そんな母は幼かった私に、砂川闘争でデモの会計係をやっていたことを楽しそうに話した。母はいま94歳で施設にいる。年末、帰省した際、母は食堂で一人、雑誌『世界』を静かに読んでいた。「この人の中には、砂川闘争の時から変わってないものがあるんだ」と思った。母の話を聞いて育った私は、「大学は学生運動をするところだ」と勝手に思い込み、早稲田大学入学後、日本共産党に入党した。砂川闘争は、私と母の「秘密」の思い出で、私が日本共産党員となるきっかけだった。本書が、憲法裁判・事件の最初に取 ………
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